高配当株10選!権利落ち後の反転ペースが速い銘柄は?

コラム

高配当株は安定した配当収入を得られることから多くの投資家に支持されていますが、権利確定日後の「権利落ち」による株価変動に悩む方も少なくありません。権利落ち後にどれくらいの期間で株価が反転するかは、高配当株投資における重要なポイントです。この記事では、2024年9月末時点での配当利回りランキングをもとに、権利落ち後の反転が速い高配当株10選を紹介し、その特徴を分析します。長期投資の戦略を立てる際の参考にしてください。

権利落ちとは?

権利落ちとは、配当金や株主優待の権利を確定する「権利確定日」の翌営業日に、株価が配当分だけ下落する現象です。権利確定日までに株式を保有していれば配当金を受け取ることができますが、権利落ち日に株価は理論上、配当金相当分だけ値下がりします。1株当たり100円の配当が出る場合、権利落ち日に株価は100円下がるのが一般的です。この下落がどの程度速く反転し、株価が回復するかを把握することが、高配当株への投資を成功させる鍵となります。

権利落ち後の反転とは?

権利落ち後の反転とは、権利落ちによる株価下落が発生した後に再び上昇して元の水準に戻ることです。権利落ち後に速く反転する銘柄の特徴として、企業業績が安定していること、配当方針がしっかりしていること、そして市場での人気が高いことが挙げられます。こうした銘柄は、配当利回りを目当てにした買いが権利落ち後に再び入りやすく、素早い反転を実現する傾向があります。

反転ペースが速い高配当株10選

以下は、2024年9月30日時点での高配当株の中から、反転ペースが速いとされる10銘柄をランキング形式で紹介します。各銘柄の配当利回りや権利落ち後の値動き、反転の速さについても分析します。
コード 銘柄名 現在値 配当利回り コンセンサスレーティング 移動平均線乖離率 月間騰落率
9104  商船三井       4,926.0      5.95%    3.5   -1.29%   -5.94%
1890  東洋建設       1,334.0      5.81%    4.0   -5.76%   -6.58%
2146  UTグループ       2,752.0      5.81%    4.5   -5.09%   -2.69%
5444  大和工業                   7,157.0      5.59%    3.8   -2.71%   -1.35%
5411  JFEホールディングス  1,918.5      5.56%    3.7   -4.99%   -4.79%
5105  TOYO TIRE               2,087.0      5.51%    3.5   -4.78%   -2.43%
5406  神戸製鋼所                1,711.5      5.26%    3.6   -3.09%   -4.31%
8473  SBIホールディングス  3,295.0      5.19%    3.8   -6.56%   -7.65%
8698  マネックスグループ    602.0         4.98%    3.5   -6.88%   -9.47%
2914  日本たばこ産業(JT) 4,179.0      4.84%    3.5   -0.65%   -0.57%

商船三井(9104)

商船三井は配当利回りが5.95%と非常に高く、権利落ち後の株価反転が速い銘柄として注目されています。2024年9月末時点の移動平均線乖離率は-1.29%と、値動きが安定しているのが特徴です。すでに配当計画を引き上げており、さらなる増配の可能性も期待されています。

東洋建設(1890)

東洋建設は配当利回り5.81%を誇り、反転の速さが際立つ銘柄です。9月末時点での移動平均線乖離率が-5.76%と下げ幅が大きかったものの、業績が安定しているため権利落ち後の反転が期待できます。

UTグループ(2146)

UTグループは5.81%の高配当利回りを提供しており、権利落ち後の反転も速い銘柄の一つです。月間騰落率は-2.69%と比較的安定しており、企業業績の堅調さが株価の反転を後押ししています。

UTグループの反転の速さは、同社の成長戦略と積極的な株主還元策によるものです。これにより、権利落ち後も投資家の買いが継続し、株価の回復を支えています。

大和工業(5444)

大和工業は配当利回り5.59%で、反転の速さが魅力の銘柄です。9月末の移動平均線乖離は-2.71%と小さく、株価の安定感があります。権利落ち後の買いが入りやすく、株価が短期間で元の水準に戻る傾向があります。

JFEホールディングス(5411)

JFEホールディングスは、配当利回り5.56%で権利落ち後の反転が期待される銘柄です。業績の堅調さと、株主還元に積極的な姿勢が、権利落ち後の素早い反転につながっています。

JFEホールディングスは、業績に応じた柔軟な配当戦略を採用しており、これが投資家からの高い評価を受け、反転の速さを生み出しています。

TOYO TIRE(5105)

TOYO TIREは配当利回り5.51%で、権利落ち後の値動きが安定しています。直近の決算発表で通期予想を上方修正しており、今後の株価反転が期待されています。

神戸製鋼所(5406)

神戸製鋼所は配当利回り5.26%で、権利落ち後の反転が速い銘柄として知られています。移動平均線乖離率も-3.09%と、適度な値動きで安定感があります。

神戸製鋼所の業績は安定しており、同社の高い配当利回りが権利落ち後の速やかな反転を支える要因となっています。

SBIホールディングス(8473)

SBIホールディングスは配当利回り5.19%で、権利落ち後の反転が速い銘柄の一つです。コンセンサス予想では年間171円程度の配当が見込まれており、業績の堅調さが株価の回復を後押ししています。

マネックスグループ(8698)

マネックスグループは4.98%の配当利回りで、権利落ち後の反転が期待されます。特に、9月末の移動平均線乖離率が-6.88%と大きく値を下げているため、反転の余地が大きいと見られます。

マネックスグループは市場での評価が高く、特に高水準の信用買い残が株価の反転を後押しする要因となっています。

日本たばこ産業(JT)(2914)

日本たばこ産業(JT)は4.84%の配当利回りで、権利落ち後の反転が速い銘柄です。配当金の安定性と企業の業績が株価のリバウンドを支え、投資家にとって魅力的な選択肢となっています。

反転ペースが速い銘柄の共通点

反転ペースが速い銘柄に共通するのは、安定した業績、堅実な配当戦略、高い配当利回り、そしてマーケットからの人気です。特に、増配を続けている企業や積極的な株主還元策を持つ企業は、権利落ち後の買いが入りやすく、素早い反転を実現します。

権利落ち後の投資戦略

権利落ち後の株価変動への対応は、投資戦略の一環として重要です。反転ペースが速い銘柄を見極めることで、効率的に資産を増やすことが可能です。

権利落ち後の買い増し戦略

権利落ち直後の株価下落は買い増しのチャンスです。反転が速い銘柄を見極め、権利落ち後に安値で追加購入することで、効率的にリターンを得られます。

長期保有の視点

権利落ち後の短期的な値動きに振り回されず、長期保有の視点で投資を続けることも重要です。高配当株への長期投資は、配当金の再投資による複利効果を享受し、資産形成に繋がります。

まとめ

権利落ち後の反転が速い高配当株に注目することで、効率的な資産形成が可能です。今回紹介した10選の銘柄に共通するのは、安定した業績と堅実な配当方針です。これらの特徴を理解し、自分の投資スタイルに合った戦略を立てましょう。長期的な視点で高配当株投資を楽しむことが、資産形成の鍵となります。

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