都市部を中心に駐車場やカーシェアリングサービスを提供するパーク24(4666)は、今なぜ「買い」なのか。この記事では、パーク24の企業構造と成長戦略、回復した業績の背景、今後の株価見通しを含め、「買い」とされる三つの理由を解説します。
パーク24とはどんな企業か
パーク24株式会社は、時間貸し駐車場「タイムズパーキング」や、カーシェアサービス「タイムズカー」を全国で展開するモビリティ企業です。単なる駐車場運営会社ではなく、シェアリングエコノミーに対応したモビリティプラットフォームを志向しており、今後の都市型交通インフラの中核を担う存在とも言えます。
創業以来、空き地や遊休地を活用した時間貸し駐車場ビジネスで拡大を続け、現在では全国に1万カ所以上の駐車場を運営。カーシェア市場でも先行しており、全国で約2万カ所のステーション、保有車両数は6万台超、会員数は300万人以上と、他社を大きく引き離しています。
都市型駐車場事業の強み
パーク24の主力である「タイムズパーキング」は、都心部や駅近、商業エリアに集中して展開されており、高い稼働率と安定した収益性を確保しています。時間貸しモデルにより、短時間の駐車ニーズに対応しやすく、ドライバーの利便性を高める設計が強みです
また、ITを活用した駐車場の遠隔管理システムや、リアルタイムでの空車状況確認機能など、ユーザー体験の質を向上させるサービスが競合との差別化につながっています。都市空間を効率よく活用しつつ、スマートシティ構想と親和性の高いインフラとしての側面も評価されています。
関連サービスによる収益構造
パーク24の収益構造は、単一の駐車場運営にとどまりません。特に成長が著しいのがカーシェアリングサービス「タイムズカー」です。都市部に暮らす人々の間では、「クルマは所有から利用へ」という考え方が浸透し、会員制カーシェアの需要が拡大しています。
さらに、法人向けの駐車契約や定期利用サービスも大きな収益源となっており、安定したキャッシュフローの確保に貢献しています。
カーシェア「タイムズカー」の成長
2009年にスタートした「タイムズカー」は、当初は先行投資負担が重く赤字が続きましたが、2014年に初の黒字転換。その後、拠点数と車両数の増加に伴い、収益性が高まっています。
2024年時点では303万人超の会員数を誇り、シェアリングエコノミーの代表的サービスとして位置づけられています。
「スマホ1つで予約・開錠できる」簡便さや、「短時間・短距離・低価格」で利用できるコストパフォーマンスの高さが、ユーザーの支持を集めています。個人利用はもちろん、法人ニーズにも対応し、地域によってはレンタカー需要を凌駕する勢いです。
法人契約と定期利用の伸長
ビジネスシーンにおける駐車場ニーズに応えるため、パーク24は法人向けの定期契約駐車場サービスを展開しています。これにより、日常的な営業活動や訪問業務を行う企業が、安定して駐車スペースを確保できるようになります。
近年は、リモートワーク普及による出張需要の回復遅れがある一方で、業種によっては社用車の利用機会が再び増加。とりわけ中小企業や医療・建設業界などで、法人契約の伸びが目立ちます。この分野は収益が安定しやすく、景気変動の影響を受けにくいため、長期的な収益の柱として期待されています。
業績回復の実態
パーク24は、コロナ禍で大きな打撃を受けた企業の一つでした。2020年・2021年と2期連続で赤字に転落しましたが、2023年・2024年には連続して営業最高益を更新。現在の業績は完全に回復し、さらに成長軌道に乗りつつあります。
コロナ禍からの回復基調
コロナ禍では外出・移動自粛により、駐車場とカーシェアの利用が大幅に減少。とくに都市部ではオフィスの稼働停止や観光客の減少の影響を受け、売上も利益も大きく落ち込みました。
しかし、2022年以降は経済活動の正常化に伴い、個人の移動・観光・出張の再開が進行。タイムズ駐車場の稼働率も上昇し、カーシェア利用も復調。2023年10月期に営業最高益を更新、2024年もそれを上回る業績となりました。
財務体質の改善状況
赤字からの脱却だけでなく、財務基盤の改善も著しい点が投資家の注目を集めています。自己資本比率は30%台に回復し、有利子負債の削減も進行。これにより、資金繰りの安定性が高まり、長期的な事業投資が可能な体制が整っています。
設備投資の効率性も改善されており、特にEV対応やスマート管理システムの導入において、費用対効果の高い支出が行われています。
2024年度の業績ハイライト
2024年10月期における売上は前年比15%増、営業利益は20%以上の伸びを記録しました。カーシェアと法人契約の回復が牽引役であり、タイムズカーの稼働率が改善したことも大きく寄与しています。
第1四半期(2024年11月~2025年1月)も、営業利益は前年同期比8.1%増の93億円と、好スタートを切っています。3期連続での最高益達成が見込まれるなど、回復ではなく「成長」のフェーズに入ったと言えるでしょう。
コスト管理による利益改善
パーク24は、コスト意識の高い経営を徹底しています。駐車場の無人運営化やIoT管理の導入により、人件費と管理費を削減。また、稼働率の低いエリアの見直しによって、経営資源を効率的に再配分しています。
その結果、営業利益率も年々向上しており、売上が増えなくても高収益を維持できる「筋肉質な経営体質」が確立されつつあります。
株価上昇の背景
現在の株価は、2016年の高値(3,655円)から約45%下落した水準(2025年3月時点で2,020円)にあります。にもかかわらず、業績は好調。つまり、実力に対して株価が過小評価されている状況が続いているのです。
市場全体の回復トレンド
グローバル市場が不安定な中で、日本の内需関連企業に資金が流入しやすい状況です。パーク24のような、海外依存度が低く、国内需要を中心に安定成長する中小型株は、相対的に評価が高まりやすい傾向にあります。
機関投資家の買い増し
2023年以降、機関投資家による買いが強まっています。とくにESG視点での経営が評価されており、長期保有を前提としたファンドの保有比率が上昇。これは需給面で株価を支える要因になっており、今後の上昇余地を示唆しています。
投資レポートの格上げ
複数の証券会社がパーク24に対する投資判断を「中立」から「買い」に引き上げ、目標株価も上方修正。PER15倍という数値は、業績成長性を加味すると割安感があり、機関・個人投資家の両方にとって魅力的な水準です。
増配発表と配当利回り
2024年度には増配が発表され、配当利回りが向上。低金利時代において、安定配当銘柄としての評価も上昇しています。キャピタルゲインとインカムゲインの両面から、投資妙味が高まっているのが現状です。
将来展望と成長戦略
都市インフラの一部として機能するパーク24は、今後の社会変化にも柔軟に対応し、持続的な成長が見込まれる企業です。都市再開発の進行、EV(電気自動車)シフト、サステナビリティ経営など、多方面にわたる事業戦略を通じて、企業価値の向上を目指しています。また、長期保有を前提としたポートフォリオ構築を行う投資家にとって、分散投資の一角を担える存在でもあります。
都市再開発と駐車ニーズ
国内の主要都市では、駅前再開発や商業エリアの再構築が相次いでおり、それに伴って駐車場需要が高まっています。パーク24はこの動向を的確に捉え、再開発エリアにいち早く駐車場を展開。収益性の高い立地を優先して投資することで、資本効率の高い事業展開を行っています。
特に、観光再開やビジネス移動の正常化により、都心部での一時的な駐車ニーズが復活しており、今後も高稼働率の維持が期待できます。
EV時代に向けた取り組み
自動車業界ではEV化が急速に進んでおり、今後は充電インフラの整備が都市部の課題となります。パーク24はこの動向を見据え、「タイムズパーキング」内にEV充電スタンドを順次導入。すでに多くの拠点で実証実験を開始しており、EVユーザーからの支持も広がりつつあります。
将来的には、駐車場を「車を止める場所」から、「エネルギー供給拠点」へと変革させる構想もあり、次世代モビリティとの融合が進行中です。
EVインフラ整備の進捗
パーク24は、既存の広範なネットワークを活かし、EV対応の拠点を短期間で拡充できる強みを持ちます。EV普及が進むことで、充電付き駐車場への需要はさらに増すと予想され、これが新たな収益機会となります。政府や自治体との連携による補助金活用も視野に入れており、中長期での利益成長が見込める分野です。
サステナビリティ経営の推進
環境・社会・ガバナンス(ESG)への配慮も、パーク24の経営方針の重要な柱です。駐車場管理における再生可能エネルギーの導入、無人化による省人化設計、交通効率の改善などを通じて、持続可能な社会への貢献を強化しています。これにより、ESG評価の高い企業として、機関投資家からの評価も上昇しています。
分散投資とリスクへの備え
投資判断においては、分散投資の重要性がますます高まっています。パーク24のように、景気変動の影響を受けにくい内需型インフラ企業は、ポートフォリオ全体のリスクヘッジとして有効です。特に、海外リスクの高い銘柄やハイテク株中心の投資家にとって、駐車場・カーシェアといった生活インフラに根ざしたビジネスは、資産の安定性を補完する役割を果たします。
とはいえ、パーク24にもリスクは存在します。カーシェア市場における競争激化、EVインフラ整備にかかる初期投資負担、都市開発の進行遅れなどは、中期的な業績に影響を及ぼす可能性があります。また、金利上昇局面では、設備投資に伴う資金調達コストの増加も懸念材料となります。
したがって、パーク24への投資は、成長性を期待しつつも、リスク分散を意識したポートフォリオ戦略の一環として位置付けることが望ましいでしょう。安定性と成長性のバランスを備えた銘柄として、中長期的に保有する価値があります。
まとめ
パーク24は、都市型インフラとシェアリングエコノミーの融合を実現する稀有な存在です。 駐車場という安定事業と、カーシェアという成長分野をバランスよく展開し、業績・財務体質ともに安定。株価はまだ過去最高値からは大きく下げた水準にありながら、予想PERはわずか15倍前後と割安。内需中小型株への資金流入が続く中、「買い」判断に十分な根拠があります。
今後の成長と株主還元を見据え、中長期投資において非常に魅力的な選択肢となるでしょう。