塩漬け株を回避!投資初心者が陥る罠と対策

コラム

投資を始めたばかりの初心者にとって、どの銘柄を選べばいいのかは大きな悩みの一つです。多くの人が雑誌やネットで話題の「オススメ銘柄」に頼りますが、これが原因で塩漬け株を抱えてしまうことも少なくありません。

この記事では、なぜ初心者が「推奨銘柄」に飛びついてしまうのか、そしてそれが塩漬け株につながる理由を解説し、回避するための具体的な対策を紹介します。


塩漬け株とは?

塩漬け株とは、購入した株が値下がりしてしまい、損失を確定させるのをためらった結果、長期間売るに売れず放置されている状態を指します

この状態が続くと、以下のようなデメリットが生じます。

  • 資金が固定化する:他の有望な投資機会を逃してしまう。
  • 精神的な負担が増える:株価が気になり、冷静な投資判断ができなくなる。
  • 更なる下落リスク:企業の業績悪化や市場の変化により、株価がさらに下がる可能性がある。

このようなリスクを回避するためには、そもそも塩漬け株をつくらない投資戦略が必要です。


初心者が塩漬け株を抱える原因

投資初心者が塩漬け株を抱えてしまう背景には、いくつかの共通した原因があります。特に以下の3つが大きな要因となっています。

初心者が雑誌やネットの「オススメ銘柄」に頼る理由

投資の経験が浅い人にとって、どの銘柄を選べばよいのかを判断するのは非常に難しいものです。株式投資の経験者であれば、企業の業績や成長性、財務状況などを分析し、自分なりの基準で銘柄を選ぶことができます。しかし、初心者はこうした分析に慣れておらず、雑誌やネットで紹介される「プロが選ぶ推奨銘柄」に頼ってしまうことが多くなります

特に、マネー系雑誌や投資系YouTubeチャンネル、SNSで話題になっている銘柄は「有望そう」に見えます。そのため、初心者は「すでに選ばれた安心できる銘柄」と勘違いしやすいのです

しかし、こうした「オススメ銘柄」に安易に飛びつくことが、塩漬け株を抱える原因となるのです。

雑誌やネットの「オススメ銘柄」をうのみにすると塩漬け株が発生する理由

初心者が推奨銘柄に投資して失敗する主な理由は、「すでに株価が上昇しきっている銘柄が多い」という点にあります。

雑誌やネットで紹介される銘柄の多くは、すでに市場で注目を集め、株価が大きく上昇しているケースが少なくありません。こうした銘柄は、一見すると「勢いがある」と思えますが、株価が上昇しきった後に業績の伸びが鈍化すると、一気に売られて株価が急落するリスクがあります

また、推奨銘柄の記事には、「この銘柄が下がったときどうすべきか?」という情報がほとんどありません。

「現在の株価2,000円、目標株価2,500円」と書かれていても、2,000円から下がった場合の対処法は説明されていないことがほとんどです

初心者は「目標株価2,500円になるまで待てばいい」と考えてしまい、株価が1,500円、1,000円、500円と下がっても売らずに持ち続ける傾向があります。その結果、塩漬け株が生まれてしまうのです。


塩漬け株を回避するための対策

塩漬け株を防ぐためには、「なんとなく投資する」のではなく、事前に明確な売買ルールを決め、リスク管理を徹底することが重要です

ここでは、適切な売買ルールの設定方法と、リスクを抑えるための分散投資のポイントについて詳しく解説します。


適切な売買ルールの設定

投資で成功するためには、事前に売買のルールを決め、それを厳守することが不可欠です

特に重要なのは、「いつ買うか」「いつ売るか」を明確にすること。これができていないと、感情に流されて塩漬け株を抱える原因になります。

損切りルールの作り方

損切りとは、一定の損失が出た時点で売却し、さらなる損失拡大を防ぐことです。

初心者が最も陥りやすい失敗のひとつが、「損失を確定させたくない」と思い、株価が下がっても売らずに持ち続けることです。しかし、これでは傷が深くなる一方です。

損切りルールの具体例

① 一定の下落率で損切りする

  • 短期投資:5~10%の下落で売却
  • 中長期投資:10~20%の下落で売却

2,000円で買った株が10%下落し1,800円になった時点で売ると決めておけば、それ以上の損失を防げます

② テクニカル指標を活用する
移動平均線やサポートラインを基準に、株価が重要なラインを割り込んだら売却するルールを決める方法もあります

「50日移動平均線を割り込んだら売却」と決めておけば、トレンドが崩れた段階で損切りできます

③ 企業の業績悪化を基準にする
企業の決算発表や業績の変化を見て、「売上や利益が前年同期比で大幅に悪化したら売却」などのルールを作るのも有効です

四半期決算で純利益が30%以上減少した場合は売却する、などの基準を設ければ、長期的に成長が期待できない銘柄を早めに手放せます


利益確定のタイミング

塩漬け株を防ぐには、損切りだけでなく、適切なタイミングで利益を確定させることも重要です。

「もっと上がるかもしれない」と欲張って売らずにいると、株価が再び下落し、せっかくの利益を逃してしまうことがあります

利益確定ルールの具体例

① 目標株価を設定する

  • 購入価格の20%上昇で売却
  • 株価が一定の高値を超えたら売却

2,000円で買った株が2,400円(+20%)になったら利益確定する、と決めておけば、迷わず売却できます

② 移動平均線やチャートの節目を基準にする

  • 株価が直近の高値を超えたら一部売却
  • 移動平均線から大きく乖離したら売却

株価が急上昇して移動平均線から大きく離れた場合、「買われすぎ」と判断され、その後反落する可能性が高くなります。そのタイミングで売却することで、利益を守ることができます。

③ 分割売却する
「一度に全部売るのは難しい」という場合、段階的に利益確定するのも有効です

目標株価の80%に達したら半分売り、100%達成したら残りを売却する、という方法を取れば、利益を確保しながら上昇の可能性も残せます。


分散投資でリスク管理

一つの銘柄に資金を集中させると、その株が下落した際のダメージが大きくなります。そのため、分散投資によるリスク管理が欠かせません

分散投資の重要性

分散投資とは、複数の銘柄や資産に投資することで、リスクを分散させる戦略です。

もし1つの銘柄に資金を集中させ、その銘柄が50%下落した場合、ポートフォリオ全体に大きな損害を与えます。しかし、5つの銘柄に分散していれば、1銘柄が50%下落しても、全体の影響は10%に抑えられます。


分散投資の具体的な方法

① 業種を分けて投資する

  • IT関連株、製造業、ヘルスケア、消費財など、異なる業種の銘柄を組み合わせることで、特定の業界が不調でも全体の影響を抑えられます

② 企業規模を分ける

  • 大型株(安定した企業)と小型株(成長が期待できる企業)をバランスよく組み合わせる。

例えば、トヨタ(大型株)と、新興企業の成長株を両方持つことで、安定性と成長性を両立できます。

③ 投資地域を分散する

  • 国内株だけでなく、海外株やETF(上場投資信託)にも投資する
  • 米国株、中国株、ヨーロッパ株など、異なる地域の市場に分散することで、特定の国の経済リスクを軽減できます。

④ 資産クラスを分散する

  • 株式だけでなく、債券、金(ゴールド)、不動産投資信託(REIT)などにも分散すると、リスクヘッジ効果が高まります

株式市場が下落しても、金や債券が値上がりすることがあり、資産全体の安定性を保つことができます。


まとめ

投資初心者が塩漬け株を抱える最大の原因は、雑誌やネットの「オススメ銘柄」に安易に飛びつき、自分で判断せずに投資してしまうことです。

塩漬け株を防ぐためには、自分自身で損切りや利益確定のルールを決め、適切なリスク管理を行うことが不可欠です。

「オススメされたから買う」のではなく、「自分で判断できる力をつける」ことが、投資成功の鍵となります。

また、以下のような投資信託やファンドを組み合わせることで、自分自身の投資判断を必要とせずとも投資を行うことが可能です。

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