投資信託は、少額からでも始めやすい金融商品として人気ですが、選び方を誤ると資産が目減りするリスクもあります。初心者は、リターンよりもリスクが高いファンドを選んでしまいがちです。本記事では、初心者が手を出すべきではない5つの投資信託の特徴を解説します。
初心者が避けるべき投資信託の選び方
投資信託は種類が豊富で、「テーマ型」や「レバレッジ型」など一見魅力的な商品も多く見られます。しかし、これらのファンドはリスクが高く、信託報酬や手数料が多くかかるケースもあるため、初心者にとっては不向きです。また、iDeCoやつみたてNISAなどの非課税制度であっても、高コストの商品を選んでしまうと運用益が抑えられ、資産形成が滞ります。
投資信託選びでは「低コスト・分散投資」を意識し、手数料が低く透明性の高い商品を選ぶことが大切です。
買ってはいけない5つの投資信託
1. ターゲットイヤー型ファンド
ターゲットイヤー型ファンドは、特定の年齢や引退時期を目標に、資産の配分を自動調整するファンドです。若い時期は株式比率を高め、引退が近づくと債券比率を増やすという仕組みですが、信託報酬が高くなりがちです。同じ資産構成でもターゲットイヤー型にすることで、0.7%程度のコスト上乗せが見られるケースがあります。
この自動調整は必ずしもすべての投資家に適しているわけではありません。場合によっては、株式の長期保有による利益を取り逃がす恐れもあります。リスクを抑えたい場合は、債券と現預金の比率を自分で調整する方が柔軟に対応できるでしょう。
2. ファンドラップ型投資信託
ファンドラップは、証券会社や信託銀行に運用を一任するサービスで、複数の投資信託を組み合わせた運用を行います。しかし、管理手数料と信託報酬が二重でかかることが特徴です。仮に信託報酬が1%のファンドであっても、ファンドラップの利用手数料が2%加算されると、合計コストは3%にもなります。これは、日経平均の年間リターン(約2%)を超える手数料負担となり、利益を圧迫する可能性が高いです。
特に、長期投資で安定した資産形成を目指す場合、ファンドラップの高コストは不利に働きます。インデックスファンドを活用し、自分で運用する方がコスト面でのメリットがあります。
3. テーマ型ファンド
テーマ型ファンドは、AIやESG(環境・社会・企業統治)など、話題のテーマに沿った企業に投資する商品です。しかし、これらのファンドはトレンドに左右されやすく、投資タイミングを誤ると大幅な価額下落を招く恐れがあります。人気が高まった後に購入すると、価額がピークに達している場合が多く、その後の下落リスクが高まります。
さらに、テーマ型ファンドは信託報酬が2%前後と高めで、長期保有には適していません。トレンドが去った後に下落した場合、回復に時間がかかるか、再び上昇しないことも少なくありません。
4. レバレッジ型・インバース型投資信託
レバレッジ型ファンドは、市場指数の変動を2倍以上に拡大するハイリスクな商品です。一方、インバース型は指数が下落した際に利益を狙う仕組みですが、どちらも短期取引向けの商品で、長期投資には不向きです。
これらのファンドは日々の価格変動に敏感であり、市場が横ばいで推移すると手数料負担だけが残るリスクがあります。初心者には、こうした高リスクな商品よりも、市場全体に連動するインデックスファンドが適しています。
5. 毎月分配型投資信託
毎月分配型ファンドは、投資家に定期的に分配金を支払う商品です。しかし、分配金が元本から支払われることがあり、長期的には元本が目減りするリスクがあります。運用益が十分でない場合でも分配金が優先されるため、資産形成が進まないケースも見られます。
長期投資では、配当金を再投資して複利効果を狙う方が効率的です。分配金を重視するよりも、成長ポテンシャルの高いファンドを選ぶことが成功への近道です。
初心者が選ぶべき代替の投資信託
インデックス型投資信託
日経平均やS&P500などに連動するインデックスファンドは、低コストで安定したリターンを目指せる商品です。信託報酬が0.2%以下の商品も多く、長期投資に適しています。インデックス型は分散効果も高いため、初心者にとって理想的な選択肢です。
バランス型投資信託
バランス型ファンドは、株式と債券を組み合わせた運用でリスクを分散します。市場の変動に強く、安定した運用が期待できるため、初心者にも扱いやすい商品です。資産配分の調整が自動で行われるため、運用の手間がかからない点も魅力です。
初心者向けの投資戦略とリスク管理
積立投資による平均取得単価の抑制
積立投資は、一定額を定期的に投資することで平均取得単価を抑え、市場変動のリスクを軽減します。価格が下落した時にも積立を続けることで、将来的な回復時に大きな利益を得るチャンスが増えます。
分散投資でリスクを軽減
国内外の株式や債券、不動産などに分散投資することで、市場の変動リスクを抑えることが可能です。さらに、ヘッジファンドなどの運用を活用することで、リスク管理の幅を広げることができます。詳細は以下のリンクで「おすすめの投資信託・ファンドランキング」をご確認ください。
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まとめ
初心者が投資信託を選ぶ際は、手数料が高い商品やリスクの高いファンドを避け、インデックス型やバランス型ファンドを活用することが成功への第一歩です。積立投資や分散投資を組み合わせることで、長期的な資産形成を目指しましょう。焦らず慎重に商品を選び、無理のない範囲で投資を続けることが、資産運用の成功につながります。