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投資戦略

本記事では、PBR1倍割れで高配当のINPEX、出光興産、日本郵船を取り上げ、上流・中流・物流という役割の違いで分散投資する方法と、実践的なチェック項目や利確・損切りルールをわかりやすく解説します。

高値圏の今こそ好機、エネルギー安全保障関連PBR1倍割れ銘柄への分散投資

日経平均株価が史上最高値を更新する中、「今から投資を始めるのは高値掴みになりそうで怖い」と感じる方も多いのではないでしょうか。

しかし、市場全体が過熱しているわけではなく、優れた事業内容を持ちながらも市場の上昇から取り残された割安な銘柄にこそ、絶好の投資機会が眠っています。

このような状況だからこそ、日経平均株価の上昇から取り残された割安株の存在、市況変動に備えるための銘柄分散と売買ルールの重要性、そして国策としての追い風を受けるエネルギー関連株の長期的視点という3つのポイントを理解することが大切になります。

これらの視点を組み合わせることで、現在の市場環境でもリスクを巧みに管理し、安定した資産形成を目指すことが可能になるのです。

日経平均株価の上昇から取り残された割安株の存在

2026年に入り日経平均は上昇していますが、すべての企業が同じように株価を伸ばしているわけではありません。

実際、東京証券取引所プライム市場に上場する企業のうち、約4割強企業がPBR(株価純資産倍率)1倍割れという状態にあります。

これは、企業の持つ純資産の価値よりも株価が低いことを示しており、市場がその企業の価値をまだ十分に評価しきれていない「割安」な状態と言えます。

市場全体のムードに流されることなく、個別の企業価値にしっかりと目を向けることで、将来の成長が期待できる優良銘柄を見つけ出すチャンスが存在するのです。

市況変動に備えるための銘柄分散と売買ルールの重要性

割安な銘柄への投資は魅力的ですが、特定の銘柄に資金を集中させると、予期せぬ業績悪化などで大きな損失を被る危険性があります。

特に、原油価格や為替レートといった外部環境の変化に業績が左右されやすいエネルギー関連株への投資では、リスク管理がより一層重要です。

例えば、資金を1つの銘柄ではなく、事業内容が異なる3つの銘柄に分けて投資すれば、1社の株価が下落しても、他の2社がその損失を補ってくれる効果が期待できます。

さらに、感情に任せた取引を避けるため、「株価が購入時から20%上昇したら半分売却する」といった具体的な売買ルールをあらかじめ決めておくことが、長期的に資産を守りながら着実に増やしていくための鍵となります。

国策としての追い風を受けるエネルギー関連株の長期的視点

私たちの生活や経済活動に不可欠なエネルギーを安定的に確保する「エネルギー安全保障」は、国の未来を左右する極めて重要な政策テーマです。

世界的な地政学リスクの高まりや、AIデータセンターの普及による電力需要の急増を背景に、政府はエネルギーの安定供給網の強化を急いでいます。

2023年に成立したGX(グリーン・トランスフォーメーション)推進法などを通じ、今後10年間で官民合わせて150兆円を超える大規模な投資が計画されており、エネルギー関連企業にとって長期的な追い風となることは間違いありません。

このように、国が強力に後押しする分野に投資することは、短期的な市場の変動に一喜一憂することなく、どっしりと構えた資産運用を実践するための賢明な選択です。

長期的な投資テーマとしての「エネルギー安全保障」の重要性

エネルギーは国の経済や国民生活を支える血液のようなものであり、その安定供給を守る「エネルギー安全保障」は、長期的に価値が揺らぎにくい重要な投資テーマです。

世界情勢が不安定さを増す中で地政学リスクの高まりがこのテーマを後押しし、さらにAIデータセンターの拡大が新たな電力需要を生み出しています。

このような背景から、PBR1倍割れという割安さに着目しつつ、その注意点を理解して投資することが成功の鍵となります。

これからの時代、エネルギーを安定的に確保・供給する企業の価値は、ますます高まっていくと考えられます。

終わらないテーマとしての地政学リスクの高まり

地政学リスクとは、特定の地域の政治的・軍事的な緊張が、世界経済や金融市場に影響を及ぼす可能性のことです。

例えば、中東情勢の緊迫化は原油価格の急騰につながり、ロシアによるウクライナ侵攻は天然ガスの供給不安を引き起こしました。

このような出来事は突発的に起こり、私たちの生活に欠かせないエネルギーの安定供給がいかに重要かを浮き彫りにします。

このように、地政学リスクはなくならないため、エネルギー安全保障は半永久的な投資テーマであり続けるのです。

AIデータセンター拡大がもたらす電力・燃料需要の増加

近年、ChatGPTをはじめとする生成AIの急速な普及が、新たなエネルギー需要を生み出しています。

AIを動かすためには膨大な計算能力を持つデータセンターが必要ですが、このデータセンターは「電気の大食い」とも言われます。

国際エネルギー機関(IEA)の予測によると、世界のデータセンターの電力消費量は2026年までに2022年の2倍以上に達すると見込まれており、電力供給が追いつかなくなる可能性も指摘されているほどです。

この巨大な需要を満たすためには発電量を増やす必要があり、結果として発電に使われるLNG(液化天然ガス)や石油などの燃料需要も長期的に増加していくことになります。

PBR1倍割れの魅力と「バリュートラップ」を回避する視点

PBR(株価純資産倍率)とは、株価が1株あたりの純資産の何倍かを示す指標です。

1倍割れは「会社の解散価値よりも株価が安い」状態を意味し、一般的に割安と判断されます。

しかし、ただPBRが低いという理由だけで投資すると、成長性が期待できずに株価が上がらないまま放置される「バリュートラップ」に陥る危険があるため注意が必要です。

PBR1倍割れという割安さに加え、これらの視点から企業の本質的な価値を見極めることが、賢い投資判断につながります。

役割が異なる3銘柄、エネルギー安全保障を支える高配当・割安株

エネルギー安全保障という一つのテーマでも、関連する企業の事業内容は大きく異なります。

重要なのは、値動きの要因が異なる複数の銘柄を組み合わせ、特定の市況変動にポートフォリオ全体が左右されるリスクを低減させることです。

具体的には、資源を確保する【上流・資源確保】のINPEX、国内に安定供給する【中流・精製供給】の出光興産、そしてエネルギーを運ぶ【物流・海上輸送】の日本郵船という、役割の異なる3社への分散投資が有効な選択肢となります。

これら3銘柄は、それぞれ異なる収益構造を持っています。

この役割の違いを理解し、バランス良く投資することで、原油価格の急落や特定の市況悪化といったリスクを和らげ、より安定した資産形成を目指すことが可能になります。

【上流・資源確保】INPEX(1605)の株価を動かす材料と注意点

エネルギー産業における「上流」とは、石油や天然ガスといった資源を地中から探し出し(探鉱)、掘り出して生産する、エネルギー供給の源流を担う資源開発事業を指します。

INPEXは、日本企業として最大の原油・天然ガス開発企業であり、その業績は資源価格の動向に直接的な影響を受けます。

例えば、INPEXの会社計画では、原油価格が年間平均で1ドル動くと期初時点で当期純利益に約±60億円の影響すると試算されており、資源価格の上昇局面が大きな追い風となります。

INPEXへの投資は、エネルギー価格の上昇から大きな利益を得られる可能性がある一方で、価格下落のリスクも直接的に反映されます。

そのため、ポートフォリオの中核ではなく、市況を見ながら資産の一部を振り分けるという付き合い方が賢明です。

【中流・精製供給】出光興産(5019)の安定性と業績の変動要因

「中流」とは、上流で生産された原油をタンカーで運び込み、国内の製油所でガソリンやジェット燃料などに加工(精製)し、ガソリンスタンドなどを通じて供給する社会インフラ事業を意味します。

出光興産の業績は、原油価格そのものよりも、原油の仕入れ値と製品の販売価格の差である「精製マージン」に大きく左右されます。

また、期末時点での原油価格が期初より低い場合、保有している在庫の評価額が下がり、会計上の損失(在庫評価損)が発生するため、決算上の利益が大きく変動する点にも注意が必要です。

出光興産は、国内に不可欠なエネルギーを供給する安定した事業基盤が大きな魅力です。

ただし、会計上の利益が見えにくくなることがあるため、決算資料で在庫評価損益の影響額を差し引いて、本業の収益力を冷静に判断することが求められます。

【物流・海上輸送】日本郵船(9101)の強みと海運市況の影響

エネルギー産業における「物流・海上輸送」は、生産された資源を消費地まで運ぶ、経済活動の動脈ともいえる重要な役割を担います。

特に日本のような資源に乏しい国にとって、その重要性は計り知れません。

日本郵船は、LNG(液化天然ガス)船のように長期契約で安定した収益を上げる事業と、コンテナ船のように市況によって運賃が大きく変動する事業の両方を手掛けています。

特に、コロナ禍で世界の物流が混乱した際にはコンテナ運賃が歴史的な水準まで高騰し、過去最高の利益を記録したことは記憶に新しい出来事です。

日本郵船のような海運株は、景気や市況によって業績が大きく変動するため、株価の振れ幅も大きくなる傾向があります。

エネルギーの安定供給に欠かせない企業ですが、投資のタイミングを見極めるには、世界経済全体の動向と運賃市況を常に確認しておく必要があります。

失敗しないための分散投資とリスク管理、実践的な5つの投資ルール

どのような優良銘柄を選んでも、投資の成否を最終的に左右するのは売買の「ルール」です。

特に、エネルギー関連株のように市況によって値動きが大きくなりやすい銘柄へ投資する場合、感情に左右されないための仕組みをあらかじめ作っておくことが重要になります。

ここでは、高値掴みを避け、長期的に資産を守り育てるための5つの具体的なルールを紹介します。

リスク許容度の設定から始まり、資金配分、分割購入、利確・損切り基準、そして保有量の調整まで、実践的な手法を身につけましょう。

これらのルールを徹底することで、市場の短期的な変動に一喜一憂することなく、冷静な判断を下せるようになります。

ルール1:リスク許容度を明確にする投資上限額の設定

投資を始める前に、まずは「リスク許容度」を明確にすることが全ての土台となります。

リスク許容度とは、自分がどれくらいの損失額までなら、精神的な平穏を保ち、日常生活に支障をきたさずにいられるかという基準のことです。

具体的な金額として、例えば株式投資に回せる資産全体の10〜20%を、今回のエネルギー関連株3銘柄への投資上限額として設定します。

株式資産が500万円ある方なら、50万円から100万円が上限の目安です。

この範囲内であれば、万が一株価が下落しても冷静に対処しやすくなります。

最初にこの上限額を自分自身と約束することが、規律ある投資を実践するための第一歩です。

ルール2:3銘柄への均等、または役割を意識した資金配分

投資上限額を決めたら、次にその資金を3銘柄にどう配分するかを考えます。

分散投資の目的は、特定の銘柄の値動きによって、ポートフォリオ全体が大きな影響を受けるリスクを低減させることにあります。

最もシンプルな方法は、投資上限額100万円をINPEX、出光興産、日本郵船の3銘柄に約33万円ずつ均等に配分することです。

あるいは、ご自身の相場観に基づき、「資源価格の上昇を重視するならINPEXの比率を高める」「安定性を重視するなら出光興産の比率を高める」といった役割を意識した配分も有効といえます。

どの配分が正解ということはありません。

大切なのは、ご自身の投資方針に合った資金配分を事前に決定し、その計画に従って投資を実行することです。

ルール3:高値掴みを避ける分割購入(時間分散)の徹底

分割購入(時間分散)とは、投資資金を一度に全額投じるのではなく、複数回に分けてタイミングをずらしながら購入する手法です。

この手法は、購入単価を平準化させる効果があり、高値掴みのリスクを軽減します。

例えば、INPEXに30万円を投資すると決めた場合、一度に30万円分の株を買うのではなく、10万円ずつ3回に分けて購入します。

1回目の購入後、株価が下がればより安く買い増しができ、平均購入単価を下げられます。

株価が上がった場合でも、機会損失を最小限に抑えつつ、さらなる上昇を狙うことが可能です。

特に株価の変動が大きい銘柄に対しては、機械的に買い付けのタイミングを分散させることが、精神的な安定を保ちながら投資を続ける秘訣となります。

ルール4:感情を排した具体的な利確・損切り基準の事前設定

投資で失敗する最も大きな原因の一つが、利益を確定させる「利確」と、損失を確定させる「損切り」を感情で判断してしまうことです。

これを防ぐためには、購入前に「どのような状態になったら売るか」を具体的に決めておく必要があります。

ルールは、「株価が購入時から20%上昇したら半分を売却する」「PBRが1倍を超えたら検討する」といった価格や指標を基準にする方法が分かりやすいでしょう。

同時に、「原油価格が想定レンジを大きく下回り、回復が見込めないと判断したら損切りする」など、投資の前提が崩れた場合のシナリオも設定します。

事前に設定したこのルールこそが、市場の熱狂や悲観に流されず、冷静に行動するための強力な羅針盤となります。

ルール5:決算や重要ニュース発表前の保有量の調整

株式市場では、株価が大きく動きやすい特定のタイミングが存在します。

代表的なものが、企業の業績が発表される「決算発表」や、各国の金融政策が決まる会合、地政学的な緊張が高まるニュースなどです。

これらの重要なイベントの前は、結果が予測しにくく、株価が上下に大きく振れるリスクが高まります。

例えば、日本郵船の決算発表やOPECプラスの会合のように、株価を左右する可能性のあるイベントの前には、保有している株の一部を売却して利益を確定させ、保有量を減らす(ポジションを軽くする)といった調整が有効なリスク管理策となります。

全ての値動きを正確に予測することは誰にもできません。

しかし、あらかじめ大きな変動が予想されるタイミングを把握し、事前にリスク量を調整する意識を持つことが、長期的に市場で生き残り、資産を守ることにつながるのです。

まとめ

この記事では、PBR1倍割れで高配当の「INPEX」「出光興産」「日本郵船」を取り上げ、
資源を確保する会社・国内に供給する会社・運ぶ会社という“役割の違い”を活かして分散投資する方法を解説しました。

まずは投資上限額と銘柄ごとの配分を決め、各社のチェックリストで確認した上で分割購入と利確・損切りルールを設定して投資を始めてください

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