「政局が不安定だと株価は下がる」という考えは、もはや過去のものです。
これからの日本株投資で重要なのは、好調な企業業績と政府の政策という2つの軸で銘柄を判断することになります。
この記事では、次期政権で注目される「防災・国土強靭化」や「宇宙・安全保障」といった政策テーマと、その恩恵が期待できる具体的な注目銘柄を5つ紹介します。
- 次期政権で期待される4つの政策テーマ
- 政策の恩恵を受ける具体的な注目銘柄5選
- テーマ株投資で失敗しないためのリスク管理術
「政局不安定＝株安」ではない？次期政権と日本株の新たな関係
政治の不安定さが必ずしも株価の下落を引き起こすとは限りません。
企業業績と政策の影響がより重要な指標となります。
“安定政権＝株高”という定説の終わり
これまで一般的だった「安定政権＝株高」という定説は、近年の相場では当てはまらなくなっています。
この背景には、国内外での企業の競争力強化やガバナンスの改革があり、市場の自律的な成長が見られます。
株式市場は、もはや政治の安定だけでなく、企業の基礎能力や多様な政策からも影響を受けています。
企業業績と政策が主導する現代の株式相場
現代の株式相場は、企業業績と政府の政策が主導するという新たな段階に入りました。
具体的には、企業の競争力向上が株価を押し上げる主要な要因となっており、例えばDX（デジタルトランスフォーメーション）やリモートワークの推進が業績を向上させています。
- 企業業績モメンタム: 近年、多くの企業がデジタル技術を活用して効率向上を図り、収益性を高めています。
- 政策効果: 政府が実施する経済政策や規制緩和は、企業の活動環境を改善し、市場の活性化に寄与しています。
政治の動向を踏まえつつも、投資決断の際には企業の業績に基づく判断が求められる時代となっています。
このため、企業分析をしっかり行うことが、成功する投資戦略の鍵となります。
また、直近の政局変動や日米関税について把握できる記事を紹介しているので、以下の過去記事を参考にしてください。
次期政権で期待される4つの政策テーマと恩恵セクター
次期政権の政策シナリオにより、多くの分野において企業の成長が期待されています。
特に「防災・国土強靭化」「宇宙・安全保障技術」「農業・食料安保」「モビリティ規制緩和」の4つのテーマは、日本の未来を支える重要な領域として注目されています。
これらの政策は各セクターに大きな恩恵をもたらし、それに関連する企業は業績の向上が期待できます。
防災・国土強靭化とインフラ補修の関連銘柄
防災・国土強靭化とは、災害に強い社会基盤を作り出すことを目的とした政策です。
日本は地震や台風などの自然災害が多発する国であり、この政策はインフラ整備を通じて地域社会の安全性を高めるものです。
例として、道路や橋梁の補修を手がける「インフロニア・ホールディングス」が挙げられます。
彼らは、国土強靭化計画の一環として、老朽化したインフラの補修に貢献しています。
関連銘柄の選定においては、以下の点が重要です。
- 国内インフラに関する工事実績の確認
- 国の予算や計画との整合性
- 長期的な業績見通し
宇宙・安全保障技術-国家戦略としての投資対象
宇宙・安全保障技術は、国家の安全保障を強化するための重要な分野です。
特に、スペースデブリ除去技術や防衛用衛星技術が国家戦略として位置づけられています。
「アストロスケールホールディングス」は、宇宙ごみの処理を通してこの分野で先駆的な役割を果たしています。
政策の追い風を受ける企業を選定する際には、以下の側面に注目するのが効果的です。
- 直近の政府方針や国際連携状況
- 技術革新の進捗や市場独占力
- 財務基盤の安定性
このテーマは、長期にわたる成長の可能性を秘めた投資対象として、多くの関心を集めています。
農業・食料安保で注目される国内生産性向上
農業・食料安保政策は、国内の食料自給率向上を目指す政策です。
特にスマート農業技術の導入は、効率的な生産性向上に寄与します。
「日本農薬」は、農薬の製造を通じて食料生産の効率化を支援しています。
企業選定の指標としては、以下の要素を重視するべきです。
- 国内市場でのシェアや競争力
- 技術革新や製品ラインナップ
- 社会的・経済的な影響力
この分野は、日本の食料安全保障に直接関わるため、政策の恩恵を大きく受けやすいです。
モビリティ規制緩和とライドシェア解禁への期待
モビリティ規制緩和は、新たな移動手段を導入しやすくすることを目的としています。
特にライドシェアの解禁は、都市交通における効率性を向上させる期待があります。
「大和自動車交通」は、ライドシェア解禁を見据えた取り組みを進めています。
注目すべきポイントは、以下の通りです。
- 配車システムの展開状況
- 新規事業や技術導入の計画
- リスク回避のための事前対策
新しい交通サービスの普及に伴い、既存企業が持つノウハウが再評価される可能性があります。
これらの政策テーマに関連する企業の業績と政策の接点を理解することで、恩恵を受ける企業の選定に役立ちます。
政策期待銘柄を見極めるための5つの選定基準
政策感応度を重視することが重要です。
政府計画や予算、規制緩和策を熟知し、それに敏感に反応する企業を選ぶことで、政策の追い風を最大限に活用できます。
政府の動きに適切に対応できる企業が、今後の株価上昇の可能性を秘めています。
政府計画との整合性で見る政策感応度
政策感応度とは、特定の政府計画や規制との連携性を指す用語です。
具体的には、政府が進める計画や方針と企業の事業がどう整合しているかが評価のポイントとなります。
例えば、防災計画によるインフラ関連の事業では、政府の政策に直接関わる企業が注目されます。
政策感応度の高い企業をリストで整理することにより、投資機会が明確になります。
しかし、政策自体の不透明さや変更がリスク要因として存在します。
投資判断には最新情報を確認し続けることが求められます。
売上や受注残に現れる業績の勢い
企業の業績モメンタムは重要な指標です。
売上や受注残の増加は、その企業が競争を勝ち抜いている証であり、株価の上昇を後押しする要因となります。
リストやテーブルを用いて、具体的な売上高や受注残の推移を示しましょう。
そうすることで、情報の可視化が可能となり、データに基づいた投資判断を下すことができます。
イベント前後の出来高で判断する株式の需給
出来高は市場参加者の熱量を示します。
イベントの前後で出来高が急増する場合、その銘柄には何らかの注目が集まっている可能性があります。
これは需給の変化を示唆し、株価の短期トレンドを掴む手がかりとなります。
具体的には、政策発表や決算発表の前後で出来高が3倍以上に増加した場合、その銘柄は注目されるべきです。
需給を考慮した投資戦略は、市場の流れに敏感に対処できる利点がありますが、思惑による急変動には注意が必要です。
同業他社比較で見る株価の割安度
株価の割安度を評価する際には、同業他社と比較することが有用です。
同業他社と比較して、PER（株価収益率）が低い企業は、株価が割安である可能性があります。
PERが業界平均を下回る企業に投資することで、相対的な割安感を狙えます。
具体的には、PERが業界平均の20を下回る企業をターゲットにするなどの基準を設けましょう。
同業他社比較はリスクの低減に繋がりますが、単なる数字の比較に留まらず、企業の成長力や市場の位置づけを考慮することが求められます。
規制変更や開発遅延などの潜在的リスク
潜在的リスクを見極めることは長期的な投資戦略において重要です。
規制変更や技術開発の遅延、資金調達の難航など、さまざまなリスク要因が考えられます。
例えば、厳格な規制が導入される産業に属する企業は、その影響を受ける可能性があります。
リストや表を通して、規制変更が予想される業界のリスクや過去の実績による開発遅延情報を整理し、安全な投資を心がけましょう。
事前にこれらの情報を把握し、自身のリスク許容範囲を超えない範囲での投資を行うことが重要です。
次期政権で注目のテーマ株5選
※数値は、9月9日時点。
| コード | 銘柄名 | 株価 | 特徴 |
| 5076 | インフロニアHD | 1,515円 | 道路・橋梁・トンネルの維持更新に強み。防災・老朽化対策の受注機会が拡大。 |
| 186A | アストロスケールHD | 695円 | スペースデブリ対策と衛星運用支援に注力。宇宙政策の追い風を受けやすいポジション。 |
| 4997 | 日本農薬 | 1,033円 | 農薬専業。殺虫・殺菌・除草剤を揃え、作物保護需要の底堅さが強み。 |
| 9082 | 大和自動車交通 | 1,108円 | タクシー・ハイヤーの運行基盤を持つ。配車DXや制度見直しの進展がテーマ。 |
| 218A | Liberaware | 2,360円 | 狭小空間対応ドローンでインフラ点検を省人化。老朽設備更新ニーズの受け皿。 |
インフロニア・ホールディングス【5076】-国土強靭化計画の本命
国土を強靭化するための政策は特に「道路インフラ」や「耐震強化」が注目されており、責任を持ってこれらに取り組む企業が求められています。
インフロニア・ホールディングスはその期待に応える存在です。
国土強靭化計画の中核を担う可能性が高まり、多くの公共工事を受注するでしょう。
前田道路や前田製作所が統合することで、総合インフラ事業における存在感をさらに増しています。
会社の業績は、特に公共事業の割合が高く、政府の動きに影響を受けやすいですが、その分、予算が増えるほど大きな利益を得られる特徴があります。
これは資本の効率化を図りつつ事業を拡大できる大きな強みです。
政府の政策に沿って着実に進む案件の遂行が見込まれ、安定した成果を上げることができることが期待されます。
アストロスケールホールディングス【186A】-宇宙ゴミ問題に取り組む国策企業
宇宙ゴミ問題は国際的に認識が広まり、日本でも政策的に重要視されています。
アストロスケールホールディングスは、この宇宙ゴミの除去に特化した企業であり、まさに国策企業と言えます。
政府は宇宙産業を積極的に後押しする姿勢を示しており、補助金やプロジェクトへの参加機会が増え、同社の事業成長を助けるでしょう。
最近の決算では、受注の増加が報告されており、今後の成長が期待されます。
具体的に、複数の技術試験が予定されており、これらが成功すれば業界内での信頼性も高まります。
技術開発の進展とともに事業が安定化すれば、投資家にとっても魅力的な選択肢となるでしょう。
日本農薬【4997】-食料安全保障を支える化学メーカー
食料安全保障強化に伴い、国内の農業生産性向上が求められています。
日本農薬は、農作物を守るための製品を提供する企業として、この流れに乗ることが期待されます。
特に、病害虫対策や効率的な肥料の開発が進んでおり、国内市場において次々と新製品を展開しています。
市場需要の高まりもあり、最近の決算では売上の上昇が見られました。
これによって株価も上昇基調にあります。
ただし、気象条件や原材料の価格変動が業績に与える影響を注意深く見守る必要があります。
今後は政府支援の農業政策の強化により、さらなる市場拡大が見込まれます。
大和自動車交通【9082】-ライドシェア関連の老舗企業
ライドシェアの規制緩和が進む中で、大和自動車交通は既存のタクシー業界のノウハウを活かした新展開が期待されます。
東京を拠点にする大和自動車交通は、長年培った配車システムと車両管理のノウハウを活かし、新たなライドシェア市場で優位に立てるチャンスがあります。
ライドシェアの普及が進みつつあり、マーケットに対する影響力を持つ老舗企業の地位は、高価格で落ち着かせることが可能です。
最近の業績では燃料価格上昇によるリスクはありますが、それを凌駕する成長が見込まれます。
今後も市場の動向に柔軟に対応しつつ、競争力を高めることが求められます。
Liberaware【218A】-インフラ点検DXを担うドローン技術
恒常的なインフラ点検が求められる中で、Liberawareは高い注目を集めています。
Liberawareの小型ドローン技術は、人の手では届かない狭い場所や危険区域の点検を可能にし、DXによって効率を劇的に向上させます。
この点が特にインフラのメンテナンスにおいて強みとなります。
政府によるDX推進計画と連動し、今後の市場成長が期待される企業です。
技術の先進性が評価され、すでに国内外で多くの企業と契約を結んでいます。
競争は厳しいものの、技術の深化と市場拡大により強固な地位を築くことを目指しています。
以上、次期政権において注目されるテーマ株の5社を紹介しました。
今後の成長が期待できる企業ばかりですので、具体的な業績と政策の動向を見極めながら、計画的な投資を検討してください。
テーマ株投資で失敗しないための具体的なリスク管理術
テーマ株投資のリスク管理は、投資の成功において非常に重要です。
特に、日本の政治的な変動や経済状況が影響しやすいテーマ株においては、しっかりとしたリスク管理が求められます。
ポートフォリオ全体で考える資産配分の目安
資産配分の基本原則は、リスクを分散することです。
特定のテーマ株に投資する際には、全体のポートフォリオの中での「占める比率」を慎重に検討する必要があります。
- テーマ株に充てる投資資金は、ポートフォリオ全体の20%から30%を上限とする
- 各銘柄への投資は、最大で5%程度に留める
こうした配分により、他の資産クラスとのバランスを取ることができ、リスクを抑えることが可能です。
高値掴みを防ぐための時間分散という考え方
高値掴みは、多くの投資家が悩まされる問題です。
そのため、「時間分散」という手法を用いることが役立ちます。
これは、投資のタイミングをずらすことで、一時的な価格変動の影響を軽減する方法です。
- 購入は一度に行わず、3回に分けて行う
- 政治イベントや重要な政策発表の前後、そして市場が落ち着いた後に分割して購入
この方法により、平均購入価格を下げ、高値掴みのリスクを減らすことができます。
感情に流されない機械的な損切りルールの設定
投資において、感情に流されないこともまた重要です。
そのためには、事前に機械的な損切りルールを設定します。
- もし購入価格から8%から12%下落した場合、躊躇せずに売却するルールを設ける
このようなルールを適用することで、感情的な判断を排除することができ、投資の安定性が高まります。
押さえておくべき主要な政治イベントカレンダー
株式市場は政治イベントの影響を受けやすいため、重要な政治イベントを把握しておくことが大切です。
- 総裁選、国政選挙、予算編成、政策パッケージ発表、主要企業の決算日
- イベントの直前、発表日、翌営業日の値動きパターンをモニタリング
これらのイベントカレンダーを活用することで、予定外の市場変動に備えることが可能となります。
まとめ
この記事では、次期政権下で期待される政策テーマとそれに関連する注目銘柄を紹介しました。
特に政策が企業業績に与える影響を理解し、適切な投資判断を下すことが重要です。
- 次期政権で注目される政策テーマと恩恵を受ける銘柄
- 政策感応度や業績モメンタムを基にした銘柄選定基準
- リスク管理術として資産配分や損切りルール
この記事で紹介した内容をもとに、具体的な投資計画を練り、次の政権交代時に備えた投資戦略を立ててください。
